2010年6月1日火曜日

国立大法人化の功罪 外部資金獲得推奨策、効果より目立つ弊害

大学大競争:国立大法人化の功罪 外部資金獲得推奨策、効果より目立つ弊害 - 毎日jp(毎日新聞)

基礎研究が大事と言いながらも大型プロジェクトがガンガン立ち上がるのはどういうことなんだろう。競争的資金は必要だろうが、申請、審査には時間とコストがかかることも認識されるべきではないか。また、金を取ってくることばかりに注力して研究そのものがおざなりになっているというところもあるのでは。何を持って最低限とするかは議論の余地があるにせよ、最低限の研究費を安定的に供給することが持続的な研究にとって不可欠と思われる。

以下、tsuyomiyakawa氏の興味深いつぶやき。

「最近、日本発の論文数が激減し、学会参加者が減少している主因は、スタッフ数が削減される一方で、GCOE、G30、WPI等の組織管理、脈絡なく降ってくる大型予算の申請書、ヒアリング、成果報告、アウトリーチ活動、等々のburdenが増えていることでしょう。」

「すなわち、個人レベル・大学レベルを問わず、基盤的研究費ないし運営費交付金が削減されて競争的資金の比重が増えすぎたため、無駄な国内競争が増えてスタッフが疲弊し、目的に反して国際競争力がそがれている、ということです。」

「研究者のburdenを減らして協力させれば国益が増えるのに、不必要に競合せざるを得ない状況に追い込んで国益を損なっているという点で、囚人のジレンマもどきの状態といえます。」

以上、知り合いの旧帝大若手教授のご意見でした。これらの各種競争の多くで審査員をするメンバーはごく一握りの方々固定してしまっていて、その先生方を頂点にヒエラルキーができ、自由で建設的な発言がしにくくなっているのでは、と感じます。

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